短かった秋も過ぎ、あっという間に12月になりましたね。早いもので、2024年も終わりに近づいています。
街はクリスマス一色で、SNSにはキラキラしたクリスマスイベントの情報が溢れています。
今年のクリスマスは平日なので、大人たちはあまり関係ないかもしれません。せいぜい、会社帰りにス〇バに寄って、疲れた自分にちょっと贅沢な飲み物を買ってあげるくらいかもしれません。
サンタさんが来ない子供達に、お菓子を
しかし、子供たちにとっては、平日でも週末でも、クリスマスは年に一度の重要なイベントです。
クリスマスの翌日には、学校ではプレゼントを自慢し合ったりしますし、貰ったばかりのプレゼントを早速、学校に持ってくる子までいます。
一方で、平和で恵まれた日本に住んでいても、クリスマスプレゼントを貰えない子たちもいます。
一人親世帯、生活困窮世帯では、収入のほとんどは生活必需品の購入で消えてしまい、贅沢品を購入する余裕などありません。そんな子供たちに何かしてあげませんか。それはあなたが思っているほど難しいことではありません。身近なあるモノを利用することで、誰かの心に小さな灯りを灯すことができるのです。
フードバンクの存在
皆さんはフードバンクをご存知ですか?最近は認知度も上がり、あちこちで見かけるようになりましたね。
昔はフードバンクの拠点まで寄付品を持っていかなければなりませんでしたが、今はあちこちに回収ボックスが設置されているので、その中にプレゼントを入れればよいだけです。
フードバンクの回収ボックスはスーパーマーケット、複合商業施設、市庁舎、コンビニなどに設置されています。片隅にひっそりと設置されている場合が多いので、お気づきにならない方もいらっしゃるかもしれません。次にスーパーに買い物に行くときは、是非、探してみてください。あなたの街のスーパーにもきっと設置されているはずです。
フードバンクを利用して、子供たちにプレゼントを
私は12月に入ってすぐに、近くの回収ボックスに子供たちへのプレゼントを入れてきました。小さなお菓子をちょっと可愛い袋に入れただけの物ですが、喜んでもらえたらいいなと思います。
お菓子には栄養はあまりありませんが、「お菓子は心の栄養」と言われています。おもちゃと同様に、子供の心にとって必要不可欠な物だと思います。
しかし、お菓子は食料品の中でも嗜好品に次いで割高な製品なので、生活に余裕がない場合は、最初に削られる項目でもあります。
しかし、もしもこの記事を読んでいる皆さんが、フードバンクを利用してお菓子を寄付したらどうでしょう…小さな歓声が聞こえてくるのではないでしょうか。
学校で自慢できるような高価なおもちゃは寄付できませんが、あなたの優しさで誰かがちょっとだけハッピーになれるかもしれません。そして、その子が大人になった時、誰かに同じ事をしてくれるかもしれません。そんなふうにして、優しさの循環が起こればいいですね。
回収ボックスに入れられるもの
回収ボックスには、何でも入れられるわけではありませんので、気を付けましょう。以下の条件に該当する物だけが回収ボックスに入れられます。
- 未開封のもの
- 包装や外装が破損していないもの
- 常温保存が可能なもの(米、加工食品など)
- 賞味期限が1〜3ヶ月以上あるもの
回収ボックスに入れられないもの
一方で、寄付されても困ってしまう物もあります。例えば:
- 生鮮食品(肉、魚、野菜など)
- 冷凍食品、冷蔵食品
- アルコール
これらの物は、回収ボックスに入れないようにしましょう。
喜ばれるもの
- 米、乾麺(パスタ、うどんなど)
- 調味料(食用油、醤油、味噌、砂糖など)
- インスタント食品、レトルト食品、缶詰
- 粉ミルク
- コーヒー、お茶
フードバンクへの寄付には、日持ちがして、保存が簡単な物が適してします。しかし、本音を言えば、新鮮な野菜や果物、お肉ほうが嬉しいでしょうね。
フードバンクへの寄付はその性質上、どうしても主食(米、麺、インスタント食品)に偏りがちですが、子供にとっては米や麺よりもお菓子のほうが嬉しいのは言うまでもありません。
フードバンクの歴史
フードバンクの活動は1967年にアメリカで始まりました。当初の目的は、年間数億トンを超える食品廃棄問題を解消するためでした。しかし、その後、時代の変遷と共にフードバンクの目的も変わり、現在のフードバンクの第一の目的は貧困世帯の援助となりました。
私が初めて、この取り組みを知ったのは学生の時でしたが、アメリカらしい合理的な活動だと思いました。食品廃棄を減らしつつ、貧困対策にもなるのですから、一石二鳥ですよね。
しかし、その頃の日本では「捨てる物を人にあげるなんて失礼」だとか、「そんな物を貰うのは恥」というような風潮がありました。日本の「もったいない文化」が、忘れ去られていた時代でした。
しかし、その後、この活動は日本でも徐々に認知され、2004年には日本で最初のフードバンク団体が設立されました。現在では、110以上の団体が活動しているそうです。
今では、あちらこちらで回収ボックスを見かけるようになりましたが、残念ながら、いつ見ても、ほとんど空です。
これは、日本が徐々に貧しくなっていることと、食料品の値上がりが激しく、一般家庭でも食べ物があまり余らないことに原因があるのではないかと思います。
私の場合は独身貧困層なので、食べ物を余らせるということは全くありませんが、一般家庭でも同じことが起こっているのではないでしょうか。回収ボックスがいつも空なのは、「余っていないので、寄付をしない」からではないでしょうか。「余っている物を寄付しましょう」という呼びかけでは、誰も寄付をしない時代になりつつあるのかもしれません。
皆が同じ状況ではないかもしれませんが、私の場合、家に余っている食品がないので、フードバンクに寄付するときは、いつもスーパーで何かを買って、それをそのまま回収ボックスに入れています。そうでもしなければ、寄付ができないのです。
しかし、日本にもモノが余っていた時代がありました。お中元、お歳暮などで貰ったものを食べずに捨てている人が大勢いました。その頃にフードバンクがあったらと思わずにはいられません。
余談ですが、日本の一般家庭の食品廃棄量は徐々に減りつつあるようです。しかし、コンビニやスーパーやファーストフード店の食品廃棄量は依然として多いようです。
フードバンクの活動を支えているのは、個人の寄付ではなく、企業からの大口寄付かもしれません。
一方で、途上国や新興国では深刻な食糧危機に直面しています。
フードバンクとフードドライブの違い
食料品を寄付する際にちょっと混乱してしまうのは、回収ボックスに「フードドライブ」と書いてある場合です。
「この箱に入れてもいいのかしら?」と思った方々のために、お答えしますと、「はい、大丈夫です!」
フードバンクとフードドライブの違いは、以下のようになります。
- フードバンク:食品を提供する団体
- フードドライブ:食品を回収してフードバンクやこども食堂などに寄贈する活動
安心して、寄付してください。
コンビニでも寄付が可能
2024年12月現在、フードドライブを実施しているコンビニはファミリーマートだけのようです。実施店舗は約4,000店。ファミリーマートの公式ホームページで確認できます。
(https://www.family.co.jp/sustainability/fooddrive.html)
最も小さき者の一人に
無宗教の日本人にとって、クリスマスは楽しい事がいっぱいのイベント行事の一つですが、クリスチャンが多い外国ではクリスマスはキリストの生誕に感謝し、人々に奉仕をする季節でもあります。クリスマスはキリストの精神に則って、「飢えている人に食べさせ、喉が渇いている人に飲ませ、裸の人に着せ、病気の人を見舞う」時期なのです。
マタイ25章34節~40節には、こう書かれています。
キリストは善良な人々に言いました。「祝福された者たち、お前たちのために用意されている宝を受け取りなさい。お前たちは、わたしが飢えていた時に食べさせ、喉が渇いていたときに飲ませ、旅をしていた時に宿を貸し、裸のときに着せ、病気のときに見舞い、牢にいたときに訪ねてくれたからだ。」
人々はまったく身に覚えがなかったので、不思議に思い、訊ねました。「いつ私たちは、あなたが飢えておられるのを見て食べ物を差し上げ、喉が渇いているのを見て飲み物を差し上げたでしょうか。いつあなたが旅をしているのを見てお宿を貸し、裸でおられるのを見てお着せしたでしょうか。いつ病気をなさったり、牢におられたりするのを見て、お訪ねしたでしょうか」。
それに対してキリストは、「(あなたがたが見知らぬ無名の)最も小さい者の一人にしたのは、私にしたのである」
この良き季節に、皆様にも多くの祝福がありますように!メリークリスマス!
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