東日本大震災から13年

夜もすがら もの思ふ

早いもので、東日本大震災から13年が経ちました。様々な面で復旧が進みましたが、お歳を召した方々が復旧から取り残されていないか心配です。

東日本大震災の爪痕

東北地方太平洋沖地震*は未曽有の災害をもたらした為、専門家の中には完全な普及には20年かかると予測した人もいましたが、2019年頃にはほとんどのインフラ設備が再建・復旧されたようです。(2019年までに、約15万棟が自主再建され、学校・病院・インフラ設備の復旧、瓦礫処理がほとんど完了しています。)
しかし、個人レベルでは、未だに以前の生活に戻れてない方もいらっしゃるかもしれません。

* 東日本大震災をもたらした地震の正式名称

東日本大震災時のライフラインの復旧は、以下のとおりです。

  • 電気:停電が発生してから3日以内に約80%が復旧。約3ヶ月後には、すべて復旧。
  • 水道:断水が発生してから1週間以内に約57%が復旧。約6.5ヶ月後には、すべて復旧。
  • ガス:供給停止が発生してから、約2ヶ月ですべて復旧。

下水処理場やし尿処理場の仮復旧には、最も日数を要した自治体では1年以上かかったところもあったようです。

心の復旧

自宅やインフラの復旧がほぼ完了しているのは喜ばしい事ですが、心の復旧のほうはどれくらい進んでいるのか心配です。
同じ経験をしても若い人達が比較的、早く立ち直れるのに対して、お歳を召した方々はなかなか立ち直ることができないように思います。勿論、個人の気質によっても異なるとは思いますが…
英語でも、「若い人はresilientだ(弾力性がある)」などと言うように、年をとると体から瑞々しさが失われるのと同じように、心も瑞々しさやを失います。言い換えるならば、心の弾力性を失います。

若いうちは、高齢者のそういった心の動きや感じ方がなかなか理解できないので、「みんなが前向きに努力しているのに、どうしてこの人はいつまでも後ろばかり向いているのだろう?」と思ってしまいます。
もちろん、若い人でも、心が弾力性を失っているときは、環境の変化や問題に対応できなくなります。

生きとし生けるもの、老化に逆らえる人はいません。気力・体力の衰えは、誰しもが経験します。犬や猫ですら、年を取れば心身の弾力性が失われます。体の衰えや気力の落ち込みは、避けて通れないのです。ですから、もしもまだ立ち直れずにいる方がいらっしゃったら、自分だけが駄目だと思わずに、もっとお気持ちを楽にして過ごしていただけたらと思います。
また、周囲も高齢者と若者の違いを理解した上で、接していただけたらと思います。

震災当時、被災者の方々のために私ができた事は、ほんの少ししかありませんでした。新潟地震の時は、被災地まで行けましたが、東日本大震災の時は体調が悪く、少額の寄付をする以外は、遠くから被災者の方々のために祈ることしかできませんでした。
それから13年、私も自身も年齢を重ね、若い頃よりは高齢者の気持ちが理解できるようになりました。これからも、一人の人間として、様々な立場の人々に寄り添う記事を書いていけたらと思っています。

過去から学ぶ、そして未来へ

東日本大震災から13年が経ち、東日本大震災を知らない世代も増えてきました。一方で、南海トラフ地震の話題が取り上げられる機会が多くなりました。それと同時に、人々の記憶の彼方に忘れ去られていた東日本大震災の記録も、再び注目されるようになりました。
南海トラフ地震は東北地方太平洋沖地震よりも規模が大きいと予測されています。専門家はそれを国難級の災害(国の行く末が左右されるくらいの大災害)と称しています。南海トラフが起こったとき、私たちはどうするべきか?
人生に一度経験するか、しないかぐらいの大災害や誰も経験したことのない出来事に関しては、人は無知です。何もできない。だからこそ、歴史に学ばなければならないと思いませんか。

ドイツの鉄血宰相と呼ばれたオットー・フォン・ビスマルクは、「賢者は歴史に学び、愚者は経験から学ぶ」という言葉を残しました。
「愚者」は自分で失敗して初めて失敗の原因に気付きます。つまり、自分で経験したことからしか学べないのです。それに対し、「賢者」は自分が経験していないことも、歴史から学ぶことができます。
私たちはあの記憶を風化させてはいけませんし、あの教訓を次の世代に語り継ぐ義務があります。東日本大震災から学んだ教訓を、次の災害に活かしましょう。

最後に

改めて東日本大震災の被災者の方々に、お見舞いとお悔やみを申し上げます。

(注:この動画には、一部の方にとってショッキングな映像、トラウマが甦る映像が含まれている可能性があります。)




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