昔、あるところに体の大きな、力自慢のボス猫がいました。ボス猫は高い所が好きで毎日、木に登ってしました
ある日、猫たちの間で、誰が一番木登りが上手いかという話になりました。
「ワシが一番じゃ」
「いや、いや、ワシじゃ」
猫たちは互いに譲りません。
それを聞いていたボス猫は「ワシが一番じゃ」と言い放つと、近くにあった高い木の天辺まで一気に駆け上りました。
「さすがボス猫どん!立派なもんや!」
「すごいスピードやった!」
「やっぱりボス猫どんが一番や!」
猫たちは手を叩いたり、口笛を吹き鳴らしたりと、やんや、やんやの大騒ぎです。
皆の称賛を浴びて、ボス猫は得意の絶頂でした。高い所から皆を見下ろすのは大層、気分が良いことでした。そうなのです。高い所から皆を見下ろすのは…
「おっと!」
強い風が吹き、ボス猫が乗っている木の枝がゆらりと大きく揺れした。ボス猫はドキッとしましたが、余裕のある振りをしました。
しかし、その直後です。ボス猫の体重に耐えられなくなった枝が根本からメキッと折れました。
「ギャー」
ボス猫は情けない声を上げながら落ちていきましたが、途中でなんとか別の枝にしがみつくことができました。
さあ、困りました。自力で下りようにも、下向きの状態ではカギ爪が樹皮に刺さりません。困ったボス猫は恥も外聞も捨てて、大声で鳴き始めました。
「ニャーン、ニャーン」
「なんや、なんや。かっこう悪いな」
「がっかりやな」
猫たちはすっかり興醒めし、一匹、また一匹と去っていきました。
一人残されたボス猫は鳴きながら、飼い主が助けに来るのを待っていました。が、自分の猫がそんな事をしているなんて、飼い主が知る由もなく、結局、力尽きてズルズルと滑り落ちてしまいました。
これが「猫も木から落ちる」という諺の由来だと言われています。
この諺から学べること:多くの飼い主は、自分の猫が外でどんな事をしているか知らない。
えっ、違いますって?そこは「どんな名人でも、失敗することがある」って締めるべきですって?まあ、いいじゃないですか…
あなたにお勧めの猫マンガ
コメント